★EMPEROR★               

       ★EMPEROR・・・・・“THOU SHALT SUFFER”と言うバンドの残党であったサモスと
       イーサーンによって、1991年にノルウェーで結成されたブラックメタル・バンドである。
       このEMPERORと言うバンドは、数々の事件や出来事がある為、少々長文になるがご了承
       の程を;
       サモス(G)とイーサーン(Vo,G,KEY)は1990年に開かれたロック・ミュージック・セミナー
       で出会い、意気投合。
       一緒にプレイする様になり、DARK DEVICE,XERASIAとバンド名を変える状況が続く中
       その年末にはEMBRYONICと言うバンド名で、初めてのオフィシャル・スタジオ・デモで
       ある「THE LAND OF THE LOST SOULS」をレコーディングした。
       しかし、その後またバンド名が変わる事になったのだが、このTHOU SHALT SUFFER
       こそEMPERORの全身バンドであり、ブラックメタル・ファンには良く知られた名でもある。
       サモスとイーサーンを中心に、イルジャーン(B)とソルビョーン(Ds)を加えた4人編成で、1
       991年にデモ「INTO THE WOODS OF BELIAL」を制作し、限定ミニLPとしてリリー
       スしようと考えた。
       しかし計画倒れに終わり、暫く後にこの時レコーディングされていた別の音源が、メキシコの
       インディ・レーベル「DISTORTED HARMONY」より、100枚限定の7インチEP「THE 
       MYSTERIES OF YOUR CREATION」としてリリースされるが、この時既にイルジャー
       ンが脱退。
       ソルビョーンがベースに変わり、新ドラマーにロニーを加えるメンバーチェンジが起こっていた。
       (その後1997年に「INTO THE WOODS OF BELIAL」と「THE MYSTERIES OF 
       YOUR CREATION」は編集盤としてサモスが主宰するレーベル「NOCTURNAL ART」
       より再発売された)
       このバンド状況に不満を感じたのか、サモスは同年の夏頃からTHOU SHALT SUFFER
       とは別に曲作りを始める。
       翌年の1992年に、イーサーンとリハーサルを重ねたサモスは、作り溜めていた曲をデモとし
       てレコーディングする事を決める。
       この時2人の共通の友人であったモーティス(B)に声を掛け、サモス(D)、イーサーン(Vo,
       G,KEY)と言うトリオ編成となったバンドは同年5月にレコーディングを行い、デモ音源を完
       成させた。
       この音源こそ、後に広く知られる事になる「WRATH OF TYRANT」であり、EMPEROR
       として初制作された記念すべき音源であった(この時、イーサーンはまだ17歳であった)。
       このデモでメタルファンに強烈な印象を与えたEMPERORは、イギリスのインディ・レーベル
       である「CANDLELIGHT」からオファーを受ける事になる。
       そして、STIGMA DIABOLICUMのドラマーであるファウストがEMPERORに加入、サモ
       スがギターに戻りバンドの強化を図る。
       そして同年12月の満月の夜にレコーディングを行い、その音源は翌1993年にENSLAVE
       DとのスプリットLPでリリースされた。
       この時のレコーディング・セッションされた音源は、同年に1000枚限定の7インチEP「AS 
       SHADOWS RISE」にも収められている。
       これらの作品で好評を得たEMPERORは、CLADLE OF FILTHとのUKツアーを行い、
       次の作品に取り掛かる事になる。
       しかし、この頃EMPERORは、とある事件に巻き込まれていたのである。

       SATYRICONのページでも触れたが、悪魔崇拝団体「INNER CIRCLE」の事件がそれで
       ある。
       真偽の程は定かではないそうであるが、MAYHEM以来ノルウェイのブラックメタル・シーン
       は悪魔崇拝団体と密接な関係にあったらしい。
       当時のブラックメタル・バンドの活動は、悪魔主義活動の一環であったと言われていた事も
       あったそうで、特にINNER CIRCLEは極端な急進派であり「SATANIC TERRORISTS」
       とも呼ばれていたそうである。
       「重罪を犯せば団体内での地位や発言権が上がる」と言われていたこの組織に、EMPERO
       Rのメンバーも在籍していたらしい。
       その教義に従ったのか、あろう事かファウストが殺人と言う重罪を犯してしまう。
       その事件は1992年8月に起こった。
       2年後に開催を控えたリレハンメル冬季五輪の為に作られた、新しいオリンピック・パークを見
       物に行ったファウストに、ある男が声を掛けた。
       同性愛者だったとされるその男は、ファウストに一緒に森に行こうと誘った。
       彼の後を付いて行き森に入って行った所、男がファウストに抱き付いた為に、彼は所持してい
       たナイフで男の腹部を数回に渡り突き立てたのだと言う。
       更にその2日後、同じINNER CIRCLEのメンバーであったBURZUMのカウント・グリシュナ
       ックとMAYHEMのユーロニモスと共に、オスロ郊外の街にあるキリスト教会にガソリンを撒い
       て火を放ったのだと言う。
       同年1992年冬に、モーティスがバンドを脱退した為、一時的にかつての盟友・イルジャーンに
       サポートを頼み、間もなくツォートを正式なメンバーとして迎えるメンバー・チェンジを行った。
       そしてサモス、イーサーン、ファウスト、ツォートのメンバーで、1993年7月の7番目の満月の
       夜にフルレンス・アルバムのレコーディングを開始したのだが、その直後にファウストが前
       述した放火及び殺人の容疑で逮捕され、懲役14年の実刑判決を受けて投獄されてしまったの
       だ。
       しかし、彼らを取り巻く事件はまだ続く・・・・・。
       1993年8月10日夜、INNER CIRCLEの中心人物であり、MAYHEMの中心人物でもある
       ユーロニモスが、自宅アパートの玄関前で刺殺体となって発見されたのだ。
       彼の全身には、23箇所もの刺傷があったと言う。
       メタル界だけではなく、社会をも震撼させたこの凶悪事件の容疑者は、INNER CIRCLEのメ
       ンバーであり、MAYHEMにも手を貸していたBURZUMのカウント・グリシュナックであった。
       彼は翌年1994年5月に懲役21年の実刑判決を受け、勿論現在も服役中である。
       この事件がINNER CIRCLEの内ゲバ的事件と見られた為なのか、EMPERORのメンバー
       にも容疑が掛けられ、フルレンス・アルバムのミキシングが行われていた1994年1月には、裁
       判にも掛けられたのだと言う(因みにEMPERORは、この事件について、カウント・グリシュナ
       ックを“裏切り者”と呼び、ユーロニモスに対して哀悼の意を表し、1stの見返し部分に「In Me
       mory Of Euronymous」と記されており、後にコンピレーションアルバムに収録された「MO
       ON OVER KARA−SHEHR」と言う曲を捧げている)。
       勿論この件については一切関わりなかった為、EMPERORへの容疑はすぐに晴れた訳である
       が、皮肉にも、事件は更に続いて行くのである・・・・・。
       完成していた1stアルバム「IN THE NIGHTSIDE ECLIPSE」を、ようやくリリースまで漕
       ぎ着けた頃、今度はサモスとツォートが新たに発覚した容疑で逮捕されてしまう。
       サモスは教会への放火及び破壊行為で16ヶ月の実刑判決を受け、ツォートは暴行と障害窃盗
       等の罪で6ヶ月間の禁固刑に処される事になってしまったのだ。
       この件がきっかけで、他のメンバーと離れた所に住んでおり、リハーサルも休みがちだったツォ
       ートが収監中の1994年秋に脱退表明をしてしまう。
       同年12月「IN THE NIGHTSIDE ECLIPSE」をやっと発表し、アンダーグラウンドながら
       も大好評でファンに受け入れられたにも関わらず、ここでEMPERORは、バンドとしての活動
       が足踏み状態に陥ってしまったのである。
       しかし、これまでに築いて来た他のバンドとのネットワークがEMPERORには存在した。
       EMPERORが他のバンドに力を貸して来た様に、ユーロニモス亡き後、解散してしまったMA
       YHEMのヘルハマー(Ds)やARCTURUSのスヴァート(KEY)等がEMPERORに手を貸し
       たのである。
       しかし、サモスへの懲役刑が執行される事になったのは、それから間もなくの事であった。
       こうなってしまうと、EMPERORはバンドとして機能する筈がなく、活動停止に追い込まれてし
       まった。
       MAYHEMを再始動する決意をしたヘルハマーが、スヴァートが離れて行き、イーサーン1人が
       残されてしまったのである。
       EMPERORの運命はは、唯一残されたイーサーンに委ねられた。
       しかし彼は、サモスが解放される日まで、EMPERORが再始動する日まで、次のステップの為
       に準準を進めて行く事を決意したのである。
       そして1995年、刑期を終え出所したサモスを、イーサーンと書き溜めていた沢山の曲が待って
       いたのである。
       そしてかつてENSLAVEDでプレイしていたドラマーのタリムと、ファウストの友人であるアルヴ
       ァー(B)を迎えた事によってEMPERORは甦り、再スタートを切ったのである。

       1997年にはEP「REVERENCE」を先行リリース、そして復活の2ndアルバム「ANTHEMS 
       TO THE WELKIN AT DUSK」を5月に発表する。
       この作品から、EMPERORはブラックメタル特有のコープスペイント(白黒メイク)を落とした。
       その理由について彼らは「本来象徴していた主義主張が失われ、トレンドになってしまったから
       辞めた」と語っていたらしい。
       同時に、この2ndアルバムで世界各国のメタル専門誌等で数々の栄誉を勝ち取った。
       翌年1998年にはオランダの「DYNANO OPEN AIR」、アメリカの「MILWAUKEE MET
       AL FEST」に参戦。
       彼らは、このステージでEMPERORは犯罪集団ではなく“音楽集団・メタルバンド”だと言う事
       を知らしめたのである。
       この年、アルヴァーが個人的理由から脱退してしまうが、かつての“悪魔崇拝バンド”ではなくな
       っていたEMPERORは、サモス、イーサーン、タリムのトリオ編成のままで活動する。
       SATYRICONのサティアーがVoで参加しているTHORNSとのスプリットCD「THORNS VS 
       EMPEROR」を制作、同年10月には3rdアルバムの制作に取り掛かる。
       翌1999年3月、3rdアルバム「\ EQUILIBRIUM」を発表。
       もはやタダのブラックメタル・バンドではなくなっていた彼らは、MORBID ANGELやLIMBO
       NIC ART、PECCATUM(イーサーンと彼の奥方・イーリアル、彼女の兄弟であるロードPZが
       在籍)等と世界各国に飛び、ツアーを重ねて行ったのである。
       このツアーでEMPERORの名は世界各地に更に広がって行った。
       イギリス公演中の5月14日には6台のカメラを使いライブの模様が撮影された。
       その模様は「IMPERIAL LIVE CEREMONY」と言うタイトルで翌年2000年にCD・ビデオ、
       そして2001年にはDVDとして発売された。
       これはEMPEROR初のライヴアルバム・ライヴDVDでもある。
       バンドは順調に歩を進めている様にも見えたが、実はこの頃サモスとイーサーンの間で“音楽
       的な考え方の違い”が表れ始めたらしい。
       イーサーンはメタルだけではなく、クラシック音楽等も愛聴する広い意味でのアーティストであり、
       サモスは根っからのデス・メタラーであったと言う。
       高い演奏技術を持つメンバーばかりであったにも関わらず、次第にライヴ活動を行わなくなって
       行った理由は、この音楽的なズレが原因であったと言う。
       イーサーンはPECCATUMに、そしてサモスはタリムと共に、イーサーンやSATYRICONのフ
       ロストとのプロジェクトバンドであったZIKLON−Bの発展系バンドである、ZYKLONを本格的
       に始動させたのである。
       これが決定的となり、2001年に入ると「今後EMPERORとして、一切ライヴ活動は行わない」
       と公式に宣言してしまうのである。
       そして2001年春、イーサーンがプロデュースも兼任した「PROMETHEUS:THE DISCIPL
       INE OF FIRE&DEMEISE」のレコーディング作業が終ると、EMPERORは遂に解散を表
       明してしまったのである。
       このEMPEROR最後のアルバムは、同年10月に発売された。

       しかし、その後もEMPERORは廃れる所か更に支持される様になり、2003年には2枚組みの
       ベスト盤「SCATTERED ASHES A DECADE OF EMPERIAL WRATH」が発売された。

       そして、遂に奇跡は2005年、ノルウェーのオスロで起こった。
       “闇の皇帝・EMPERORの再結成”である。
       当初、彼らは「1年間、ライヴのみの再結成」としていたそうだが、何と2006年のみならず、20
       07年にもライヴをやっているのである。
       因みに2007年にはBOX型限定盤が、2008年にはアルバムが新たに再発売された。
       この様に、EMPEROR人気は未だ衰えを見せない。
       是非、一度日本にも来て頂きたいと、切に願う今日この頃である。

       因みに、イーサーンと彼の奥方率いるPECCATUMはゴシックプログレ・バンドで、静かで気品
       溢れる音楽を演っている。
       また、彼はソロとしても活躍、2006年には「THE ADVERSARY」、2008年には「ANGL」を発
       表。
       相変わらずの邪悪な絶叫Voと美しいクリーンVo、激しくも美しい楽曲を世に送り出している。
       これとは逆に、ZYKLONはストレートでブルータルなブラックメタル・バンドで(これがまた非常に
       カッコいい♪)、イーサーンとサモスの音楽性の違いがはっきりとわかる。
       また、サモスは、ZYKLONでは「ザモス(ZAMOTH)」と名乗っている。
       また、タリムは凄腕スーパードラマーとして活躍しながら、刺青師としての顔も持っており、タトゥ
       ーショップ「IMPERIAL TATTOO」を経営している。

       また、EMPERORの日本国内盤のアルバムタイトルは他に類を見ない程カッコ良く、良く知られ
       ているので、その邦題も明記しておく。

       ★EMPEROR アルバムリスト

       1994年 IN THE NIGHTSIDE ECLIPSE
             (闇の皇帝)
       1997年 ANTHEMS TO THE WELKIN AT DUSK
             (闇の賛美歌)
       1998年 \ EQUILIBRIUM
             (闇の黙示録)
       2000年 IMPERIAL LIVE CEREMONY(ライヴアルバム)
             (闇の晩餐)
       2001年 PROMETHEUS:THE DISCIPLINE OF FIRE&DEMEISE
             (闇の終焉:ラスト・エンペラー)
       2003年 SCATTERED ASHES A DECADE OF EMPERIAL WRATH(ベストアルバム)
             (闇の軌跡)
       


       ★EMPEROR OFFICIAL SITE

       ★EMPEROR OFFICIAL MYSPACE

      ★いやいや・・・・・遂に聴いてしまいました、“闇の皇帝”EMPEROR!!
       はっきり言ってしまえば「もっと早く聴くべきだった」と思っておりますが;;
       以前から“闇の皇帝”の存在は知っていたのですが、SATYRICONの所でも書
       いてある様に「ブラックメタルが怖くて聴けなかった」のが正直な所で;
       なんせ、本物の“サタニックバンド”と言うのがアタマにあって聴けなかったので
       すよ。
       SLAYER聴くのでさえ、戸惑ったのに〜;;
       EMPERORと言えば〜悪魔崇拝の代表、みたいな所があったのですが、しかし
       いざEMPERORを聴いてみましたらば、そんな考えはすぐに何処かに吹っ飛ん
       でしまいました♪
       確かに邪悪で暗黒な世界なのですが、楽曲が激しくも美しい、美しいのですよ♪
       「邪悪の中の美しさ」とはこう言う事を言うのか〜!と一人納得してしまいました。
       そして楽曲も然る事ながら〜、メンバー全員がとにかくカッコいい♪
       2nd裏ジャケと3rdのジャケ見をて頂けるとわかるかと思うのですが、3人が3人
       共、とても男前なのです♪
       特に、イーサーン皇太子を見てビックリ;
       本当に「魔界の皇太子」の様な〜端整な顔立ちをしていらっしゃるのです♪
       それ以来、私は「イーサーン皇太子」と敬意を込めて呼ばせて頂いております♪
       しかし、サモスさんが実刑を受けている間、じっと待っていたんですから;;
       皇太子って健気な方なんだな〜と、思わず目頭が熱くなってしまいました;;
       そして何より、彼らの演奏力は〜本当に非常に素晴らしいです!
       DVDやYOUTUBEを見て頂ければわかるのですが〜、EMPERORの演奏力
       は並ではありません、すっごいテクニカルなバンドなんですよ!
       皇太子なんて〜歌いながら叫びながら、難しいギターリフ&ソロを弾いてるんで
       すから、凄いですよ;
       サモスの荒々しくもカッコいい〜ギタリストですし、タリムに至っては、平気な顔し
       て軽々とブラストビートをかましてるんですから、ホントにビックリです;
       身を切る様なスクリーム・ヴォイスと心打つ素晴らしいクリーン・ヴォイス、邪悪で
       しかし時に美しいメロディを奏でるギター、大地を揺るがさんばかりの激しいドラミ
       ング・・・・・どれを取っても、本当にトップクラスのバンドです♪
       私は最初ベスト盤を購入したのですが、ホントに気に入ってハマってしまいました;
       EMPERORのアルバムは、再発されたりしているのですが、あろう事か国内盤
       は全て廃盤になっておりまして、手に入らないと知るや否や、私はヤフオクで全
       て揃えてしまいました;
       しかも、ライヴ盤を除いたアルバムを、4枚一気に揃えた挙句、DVDまで購入;
       その後のお財布が〜大変な事になってしまったのは、言うまでもありません;;
       でもしかし、EMPERORは〜本当に買って良かった、揃えて良かったです;;
       しかし、せっかく再結成したんだから〜、国内盤のBOXセットとかも発売して欲し
       いなあ〜、と思ってたりですよ;
       ブラックメタル、EMPERORをまだ聴いた事のない方は、是非聴いてみて下さい♪
       まずはベスト盤から聴いてみて下さい♪
       全てのアルバムを集めたくなったら〜貴方も立派なEMPEROR崇拝者です!
       「CURSE YOU ALL MEN!」「I AM THE BLACK WIZARDS」等々、
       数多くの名曲を是非聴いて頂きたいデス♪
       個人的には「INNO A SATANA」が〜非常に大好きです♪
       この曲は何度聴いても泣けて来ます・・・・・;;
       (これはラテン語で、訳すと「悪魔への賛歌」と言う意味になります)

       ムチャクチャテクニカルで、邪悪で美しくかつ高貴な、本当にカッコいいバンドで
       すので“闇の皇帝”の世界を、是非体験して頂きたいと思っております!

       そしてまた・・・・私の書くロマサガ小説は邪悪になって行くのでありました


        EMPEROR CD LIST

        EMPEROR DVD LIST(工事中)